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鉄筋ガス圧接について原理と施工方法をわかりやすく説明!


 

マンションなどの建築物の多くは鉄筋コンクリートで作られています。

その、コンクリートの中に配置されている鉄筋をつなぐ作業のひとつが、ガス圧接作業です。

安価で信頼性があり、もっとも普及している工法です。

 

●鉄筋ガス圧接の原理



ガス圧接継手とは、鉄筋端面同士を突合せ、鉄筋軸方向に圧力を加えながら突合せ部分を密着させて、
酸素・アセチレン炎で加熱していき、鉄筋端面を溶かすことなく、赤熱状態のまま柔らかくして、
圧力によって押し付けて“ふくらみ”を形成しながら接合する継ぎ手工法です。


鉄筋は、鉄原子と炭素原子が混ざり合った鋼でできています。

鋼の中の原子の状態は、常温では固く安定しており、規則的な配列をしています。

ガス圧接の原理は、この結晶間の結びつきを利用し、接合時に双方の原子が再配列しやすいように加熱を行うものです。

高熱を加えることにより、鋼の中の原子は活発な運動を始めると同時に、
結晶の構造を変え、結合も断ち切って、原子が激しく混ざり合います。
その結果、双方の接合面が一体となり、鉄筋の断面積の接合が可能になるのです。

 

*ガス圧接と資格 ~径の違い・材質の違い~



ガス圧接は特殊な技量が必要な作業なので、技量資格が設けられています。

技量資格は、鉄筋径別に1種から4種まであり、1種から数字が大きくなるに従って、
扱う鉄筋径も太くなり、施工が難しくなります。

さらにガス圧接は、鉄筋径に限らず、材質が異なると資格の規定に合わず、作業できないことがあります。

規定では、扱う材質が上下1ランク以内で、鉄筋の径の差も7mm以下でなければなりません。

 





●ガス圧接の施工方法・作業手順



まず、つなぎ合わせる鉄筋を切断機にかけて切断します。

次に圧接面をグライダーに掛け、清掃した鉄筋にガス圧接器を取付け、
二本の鉄筋の中心にずれが生じないように締め付けます。

そして加圧器を動かし、鉄筋に圧力をかけてガスバーナーで加熱していきます。

圧接部に所定のふくらみができたところで、加熱をやめ圧力を下げます。

最期に接合部の外観形状をたしかめてから、ガス圧接器を取り外します。

さらに、この一連の作業の後、品質管理をするための検査を行います。

 





*ガス圧接の検査方法 ~外観検査&非破壊検査・破壊検査~



まずは基本の外観検査ですが、その名の通り圧接部の外観を検査します。

外観検査用の器具を用いて「ふくらみ」や「軸の偏心量」「ずれ」などを確認します。

「ふくらみ」とは、圧接部は熱と圧力を加える過程でふくらんだ部分で、
ふくらみは大きい方がよく、規定があります。

・ふくらみの直径 → 鉄筋径の1.4倍以上

・ふくらみの長さ → 鉄筋径の1.1倍以上

なお、上記の規定に達しない場合、再加熱で補正します。

 

一方「軸の偏心量」とは、圧接時に鉄筋同士の軸が偏心した場合、偏心量はなるべく小さく抑えなければなりません。

・軸の偏心量 → 鉄筋径の1/5以下(径が異なるとき小さいほうの値)

これも上記を満たしていない場合、再度切断して圧接し直します。

 


また、外観検査では判別できない部分を検査するのに、非破壊検査と破壊検査の2通りの検査方法があります。

非破壊検査で一般的なものは「超音波探傷試験」で、破壊検査では「引張り試験」があります。

超音波探傷試験は溶接でも行う検査で、外観検査ではわからない圧接内部の欠陥を見つけるためのものです。

これは1検査ロットに対して、無作為に30か所の検査を行います。

また、引張試験は、現場にて抜き取った供試体を法的試験機関で引張試験機にかけ、
切断されるまで引っ張り、基準通りの強度をもっているかを判断します。

 





●まとめ



これで鉄筋ガス圧接について基本的な事はだいたいご理解頂けたと思います。

また、鉄筋径や材質によって圧接作業が可能かどうか、細かい規定があるので、
技量資格についてもきちんと調べておく必要があります。

圧接のふくらみ、軸の偏心、圧接面のずれなども、一級建築士の試験にも頻出するポイントなので覚えておくと良いでしょう。
 
 

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